工業会との統合は10年前の3団体統合による当協会発足時からの検討課題となっておりましたが、経済産業省素形材産業室の田中室長のご指導を得まして、昨年春から検討を重ねて、関係者の熱心な議論のもとに、今回の統合に至りました。
改めまして、その統合の趣旨を申し上げたいと思います。
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グローバル化する経済の中で、我が国鋳造業は新たな需要の発掘に取り組む必要が生じている。協会が平成25年10月に作成した鋳造産業ビジョン・第3期計画は、鋳造産業ビジョンの目標である「鋳造業の10年後のあるべき姿」を実現するためには、絶えず技術革新を続け、技術力で差別化すること、IT等を積極的に活用した、技術に立脚したものづくりに変革する必要がある。
さらに、前工程や後工程の内製化への取り組み、異業種とのネットワーク構築等、自らができる仕事の幅を広げることによって、ユーザー企業に対する提案力や営業力などの向上を目指すなどの個性化を図る必要があることを挙げています。
一方、国際的には鋳造業とそのサポーティング・インダストリーとの協調が進展している状況下において、日本鋳造協会が有する幅広い業種構造を有効に活用した総合団体としての活動が求められています。 - このような時期に、協会と工業会との統合を行うことは、新素形材産業ビジョンの目指すべき方向性として提示された①世界で勝てる技術力を持つ、②仕事の幅を広げて付加価値を高める、③海外市場を取り込み「グローバル企業」をめざせ、に沿うものであり、我が国鋳造業が世界に伍して戦っていくために必要な大同団結であります。
日本鋳造協会は、今回の日本鋳造機械工業会との統合により、鋳造業界の中核をなす総合団体として活動をしていく所存ですので、関係官庁、関係団体、会員企業の皆様の更なるご指導・ご鞭撻をお願い申し上げる次第です。